2020-10-13 火

「空き家おくりびと」現代美術家・YABESOYさん

今日は 27度くらいまで気温が上がって暑いくらい・・

「空き家おくりびと」について逗子在住現代美術家・YABESOYさんにお話いただきました。

逗子市内の空き家「森川邸」を舞台に、 作品「空き家おくりびと」と「森川器店」 の2企画を同時に実施します。

SOYさんは 油絵の具やミクストメディアによるペインティング、インスタレーション、空間作りといったことを柱にアートワークを行っている現代美術家。

                

SOYさんが 逗子アートフェスティバル2020企画で空き家を舞台に企画したいので 空き家を提供してくれるところを探していると知ったのが 昨年末。そのころ私は 母を亡くしてまだ1年たたずまだ悲しみが癒えず、さらに実家が空き家になりどうしたらいいかかなり悩んでいました。

でも 昨年のZAF2019の時も番組にご出演いただいたり、ご縁のあるアーティストさん。いずれ古い家屋を壊すにしても一度は何か役に立てたらいいかな・・地元で仕事をしていた祖母も父も喜ぶかも・・と思ったのでした。

SOYさんは 空き家についてこれまでもいろいろ想いがありました。建築系の出版社にいた際、たくさんの空き家改修事例を取材、 空き家のことをなんでもできる夢の宝箱のように思う人もいれば、空き家を所有することで苦しんでいる人もいる。その違いがここ5年くらい気になっていたそうです。

この空き家を会場に整えるまでの過程・・いろいろありました。その時の様子を「いろいろな人の手が加わり、ようやく会場が整ってきたなと感じます。なんでも検索したり動画でわかるのでDIYできる時代ですが、職人さんの技を目にするとその作業の美しさに惚れ惚れします。 それを伝えたくて、障子の張り替えの際には職人さんをお招きしてワークショップにしました。知らない方も多数参加しました。 たくさんの人のおかげで場が生まれ変わりましたね」と語ります。最後はみなさんで大掃除も!

先日 SOYさんがリヤカーに人形たちをつれて市内めぐりをしました。 どのような発想かというと・・森川邸にはたくさんのお人形があります。 少なくとも空き家になってからの3年、きっとそれ以上の年月、人形さんたちはお外を見たことがないのだなと気づいた時に、 外の空気を吸わせてあげたいと思って、みんなをリヤカーに乗せて市内を旅してみたんです。その時、SOYさん いろいろ人形たちと会話をしたとか。

                   

その人形たちも今回展示。2階では逗子市内を旅した様子を上映します。

                   

そしてもう一つの企画「森川器店」は・・ものの所有量に安心する時代から、ブランドや銘柄などの質を重視する時代に変化しました。 今は、誰かが決めた質に従うのではなく「自分の目でいいと思うものを愛する」段階になってきたと思います。 誰にもお墨付きをもらっていない器と向き合い、名前をつけるというのは、自分の目や感性を研ぎ澄ます行為に近いんじゃないかなと思います。器にコメントをつけるワークショップもおこないましたが そのメッセージも付けて展示しています。お茶室だった和室にて森川器店を行います。今回 床の間にお花を活けて下さってうれしいです。

森川邸は 築約90年。いらした方の中にはかなり建物に興味を持たれたり、意外なみなさんの反応に驚いています。

 会期はすでに始まっており、10月25日まで。金・土・日・月曜日オープン。 時間は11時から17時までです。

 空き家が生まれ変わる際、家庭での所蔵品 のほとんどは住人の思い出などお構いなしに まとめて産業廃棄物となりますが、一部の物 に対し別の在り方を示そうというのが本企画 です。

会場の森川邸は 逗子小学校裏のねもと歯科クリニック前の細い道をずっと入っていった(途中ゆるやかなカーブ)右側です。

詳しくはHPコチラ

器の詳細はコチラ