2024-6-27 木
SSF Explorer 第13回 6月27日OA
都心からおよそ1時間という場所にありながら、海、山や森など、自然に恵まれた環境の逗子・葉山。
そんな素晴らしい場所に住んでいながら、まだまだ知らない自然や場所が沢山あります。
SSFのSはSea 海、2番目のSはStars 星、そしてFは:Forest です。
毎月第4週目は「池子の森のお話」
池子の森自然環境調査会 大塚 隆之さんにお話を伺いました。
晋)池子の森は何種類くらい植物があるのですか?
大)大体600種以上、今は確認されています。
晋)何年も閉ざされていた事から、珍しい種もあるのですか?
大)保全の関係上名前は言えないのですが、環境省のレッドデータブックに載っているような重要種もいくつか確認されています。
見つけた時は、やはりここに有ったか!と嬉しかったです。
晋)大塚さんが池子の森の自然環境調査会に入られたきっかけは?
大)逗子市環境会議の街並みと緑の創造部会に所属しており、観察会などの活動をしていて市役所の方からお声をかけられたのがきっかけです。
-大塚さんはお仕事も環境調査のお仕事。
-この池子の森の自然環境調査会に入られて、観察会に参加されてかたの喜んでくださる顔を見られるのが嬉しいですと大塚さん。
晋)植物観察会は年に何回?
大)環境会議では全体で7~8回やっていますが、植物は年に3回ほどです。
春と秋、2月に冬芽の観察会もやっています。
冬の間樹木が休眠している時の、冬の芽、木の芽を観察します。春の訪れを最初に感じます。
晋)池子の森はこの辺の土地と随分違うものなのですか?
大)最初は70年間手が入っていなかったので、それなりに期待をしていたのですが、実際に中に入ると池子以外の周辺の自然とそんなに大きくは変わらない印象でした。
それほど池子の森が突出して大きく変わっているというものではなかったのです。
それだけこの辺りは豊かだという事ですね。逗子の自然自体が他と比較して豊かなのです。
晋)何が違うのでしょうか?
大)池子の森に入ってみた感じで言うと、他の逗子の自然と比べると「土の中の菌類層」が豊かなのではないかなと思います。
皆さんが見えている植物は、根っこでキノコと繋がっています。
キノコから栄養分をもらって生育している植物が殆どなのです。
ただ、そのキノコはどこから栄養をもらっているかというと樹木からなのです。
樹木は一番背が高くなるので、日興などから栄養分を取り入れ、キノコに供給して、更にそのキノコから小さな植物に栄養分を回している…そういうネットワークが出来ているのです。
晋)木は思った以上に素晴らしいのですね。
大)それが他の地域と池子の森は違うのかなと感覚的に感じます。
落ち葉が積もっている。生えてくる植物が違う。
パッと見は変わらないのですが、その辺で違うのです。
今の時点ではそれほど違いはないけれど、時が経った時に大分違いが出てくるのではないかと思います。
晋)調査会としてもワクワクするところですね。
大)そうなのです。今ある自然は勿論なのですが、将来にわたって池子のような自然を守っていかなければいけないと思います。
「夏の植物観察会」が6月30日に行われます。
残念ながらもう申し込み締め切りは終わってしまったのですが、ご自身で池子に入ってみる事が出来る植物の見どころを伺いました。
この時期は「半夏生」。↓ (ちょっとわかり辛いのですが、私が撮影した半夏生です)
ドクダミ科の植物なのですが、花の時期になると上の方の葉の半分だけ白くなるのです科花を目立たせ、昆虫に教えるために葉が白くなるのです。
昆虫に花粉を運んでもらうのです。
白い葉は、花が終わると元の緑色に戻る不思議な植物です。
半夏生は池子の森でもちょっと湿地の部分。三浦半島で湿地と陸地の微妙なところが殆どなくなってきてしまっているので、この辺では珍しい植物になってしまっています。この時期だけのものです。
もしかしたら山百合の花も見られるかもしれません。
晋)何年も池子の森の植物を観ていらして、大塚さんが一番好きな章句物は何ですか?
大)春に咲く「二輪草」が好きです。二輪草は春の木の葉が芽吹く前に花が咲いて、木の葉が芽吹きだすと枯れる植物なんです。
「春の妖精」といわれています。その花が、だいぶ増えてきています。散策路の入り口府付近に生えています。
2月の終わり~3月一杯くらいです。
季節ごとに花が咲く池子の森。
植物観察会は緑政課のイベントで、後方にも載りますのでチェックしてください。
大塚さんからリスナーさんへのメッセージ
池子の森自然公園、未だいらしていない方も多いのですが、こんなに広い豊かな公園、是非、いらしてください!