2025-6-13 金

SSF Explorer 第63回  6月13日(旧東伏見宮葉山別邸を守る)

今日のSSF Explorerは歴史。

「旧東伏見宮葉山別邸を守る」NPO法人葉山環境文化デザイン集団 代表 高田明子さんにお話を伺いました。

・高田明子さんは…NPO法人葉山環境文化デザイン集団5代目代表

ファッション、空間、コーディネーター歴40年。現在は自称まちづくりコーディネーターとして、人、物、事を繋ぎまちづくり活動に25.関わっていらっしゃいます。

・今までにも古くからの貴重な別荘などの保存に携わっていらしたそうですね。

葉山町の特に海沿いの景観形成を担ってきた最盛期800棟有った別荘も現在はその一割以下になり、25年前から建物や景観の調査並びに記録、利活用を進めてきました。直接関わってきた加地邸(NHKドラマ「幸田露伴シリーズ」のロケ地、足立邸、平野邸など国指定登録有形文化財として現存出来ている事を喜ばしく思っています。

また、古民家の持ち主の方と話し合いをしながら、登録、再生を考えています。

・現在は「旧東伏見宮葉山別邸」の保存時にとりかかっていらっしゃいます。

この建物の魅力・歴史的価値は?

旧東伏見宮別邸は、湘南の宮家別荘としては最初の洋館で、葉山に現存する唯一の旧宮家洋館です。

関東大震災を免れた建物として現在は国指定登録有形文化財ですが重要文化財の価値が有ると言われています。

・クラウドファンディングを経て修復にとりかかっている。

110年の節目の年に老朽化及び維持管理が困難となり解体が検討されていましたが、葉山町民をはじめとする有志が集まり、約1年間の準備期間を経て一般社団法人La Casa  Blanca 葉山を設立。保存と利活用の活動を開始しました。

昨年7月には、令和6年度観光庁「歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業」に採択され、地域一体となって動き始め、12月からは先ずは建物を改修し利活用して行く為の寄付の募集を開始し、お陰様で5月末には建物の改修工事は一段落、現在は622日に開催するオープニングパーティに向けて外構工事が進んでいます。

・築110年というと、修復はかなり大変だったのではなのですか?

今回の改修工事で一番苦労し時間と費用が掛かった点は、宿泊施設としての建物耐震補強でした。

意匠を損ねることなく建物を補強する作業は多くの時間と労力が必要でした。

特に北と東の痛みが激しく、張替や他の箇所とのバランスなど苦労しました。

・修復のための費用はクラウドファンディングを募ったそうですね。

およそ1億6,000万円という費用は、助成金の他、クラウドファンディングと投資という2つの形で200名もの方が参加してくださいました。

・修復後はどの様な活用を考えていらっしゃるのでしょうか?

幼稚園の敷地内にあるこの建物は先ずはセキュリティ上の点から会員登録した方にお使い頂く一棟貸しの館です。1日利用て20万年+tax  一泊二日て平日23万円+tax  が基本で週末や祝祭日+料金が発生します。

・クラウドファンディング出資者向けの見学会もあるそうですね?

はい、ご支援頂きました方には6月22日に予定しておりますオープニングパーティご招待と館内にお名前を刻印させて頂きます。

6月22日まではまだご寄付も募集しております。お問合せは0467-53-8583 エンジョイワークス

・リスナーさんへのメッセージ

歴史ある建物で、結婚式など是非!

実は先週末、プレオープンして森戸神社で挙式された方の披露宴会場としてご利用頂きました。

音楽家ご夫妻に相応しいピアノや弦楽器の演奏が有り、高い天井の洋館らしい音響効果で皆さまお喜びでした。

私どもとしては、ご家族やお仲間たちとの記念日としてのお祝い事やご法事、偲ぶ会など、時間を気にせずにゆっくりした時間をお過ごし頂けたら幸いだと思っています。

ご予約頂いた方にはご要望が有ればコンシェルジュがお食事のことなどのご相談を承ることが可能です。

秋には会員ではなくても建物をご覧頂けるイベントを開催しますのでその時には元気を取り戻した別邸で一日楽しんでいただけたら幸いです。

11月9日日曜日、70年この建物を守ってくださったイエズズ孝女会様に敬意を表して「スペインフェス」を開催します。

この日は会員以外の方もご参加いただけますので、是非お越しください。

書籍「葉山の小道」の第2弾も計画中です。

歴史のある建物、趣のある小道。葉山らしさを大切にしていきたいですね。

 

募金についてのお問合せは:0467-53-8583 エンジョイワークス まで

NPO法人環境文化デザイン集団のWebサイトは

Hayama Design – NPO法人 葉山環境文化デザイン集団