2025-6-20 金

SSF Explorer 第64回  6月20日(星空リビング)

「星空リビング」プラネタリウムプランナーかわいじゅんこ先生にお話を伺いました。

明日は夏至ですね。

日の出から日の入りまでの時間がもっとも長い日。黄経90度が「夏至」となります。毎年、6月21日か22日です。今年は、6月21日(土)日本時間午前11時42分、太陽が北回帰線の真上を通る。これが夏至の瞬間で、北半球における天文学上の夏の始まりです。この日を境に、夜の長さは徐々に延びていくのです。

と、ここまでは太陽の通り道を24に区切った二十四節気だけではなく、もう一つ「北回帰線」という言葉を思い出してみましょう。

なんか聞いたことある・・・でしょ?

「北回帰線」とは、北緯23度26分のところに、赤道(せきどう)と平行に引かれた線です。南には「南回帰線」が南緯23度26分のところにあります。

地球は太陽に対して、常に一定の角度で軸を傾けた状態で公転しています。そのため、地上からは、同じ時間でも季節によって太陽の高さが違って見えます。

太陽が、真南の方角で一番高くのぼったときにできる、地上との間の角度を「南中(なんちゅう)高度」といいます。南中高度が90度になる地点は、北緯23度26分から南緯23度26分までの範囲を、毎日少しずつ移動しています。

太陽が真上を通る地点では、南中時刻に影ができません!ですよね。真上から光が来るのですから。昨年、飛鳥Ⅱに乗せていただいて、世界一周をされているお客様に「太陽が真上に来て、影ができない!という写真を撮ったよ!」と見せていただきました。私達がバンクーバーで乗船する一週間程まえが夏至でした。そこに至るまでに、太陽が真上を通ったのですね。ペットボトルをたてて、見事に影のない写真でした。

もう、1年経つのかああああ。

さて、我々としては、夏至に食べるものはなにか名?と(笑)

関西地方では、タコの足のように大地にしっかり根付き育つようにとタコを食べる風習がありますね。また、大阪・河内地方や奈良県の方々、関東の方でも「半夏生餅」を食べるという風習もあるそうです。

二十四節気の「夏至」のあと、7月2日に七十二候の「半夏生ず」というものがあります。これは、半夏という植物が茂る頃、とも半夏生という植物が葉っぱを半分白くする時期だからということだそうです。

七十二候は、中国から伝わってきましたが、日本独自の雑節にも「半夏生」というものがあります。というのも、日本では、田植えは「夏至の頃、半夏生まで」と言われれるぐらいに農家の方々の作業の目安とされ、それを過ぎると秋の収穫が減るといわれてきました。この時期収穫できた小麦で「半夏生餅」を作って田の神さまに供えて感謝する風習があるそうです。
半夏とは、別名カラスビシャクと呼ばれています。あまり馴染みのない植物ですが、現在でも漢方として活用されています。ちなみに、少しややこしいですが、半夏とは別に「半夏生」という植物も存在します。

梅雨がちゃんともどってくるのかな???チョット心配ですが。

◆古代から祝われてきた夏至の日
 過去から現代に至るまで、夏至は世界中のさまざまな文化で認識され、祝いの対象となってきた。
 例えば古代エジプト人は、スフィンクスの位置から見た場合、夏至の日に太陽がちょうど2つのピラミッドの間から昇るように計算して、大ピラミッドを建造した。

 南米のインカ文明では、夏至には「インティ・ライミ祭り」と呼ばれる祭典が行われ、食物が捧げられたほか、動物、さらには人間がいけにえとして供されることもあった。

 近年になって、長く地中に埋もれていたマヤ文明の都市がグアテマラで発掘され、その中から天文台の遺構が見つかった。この天文台内の建物の並びは、至点に達する日の太陽の方角と一致するように設計されていた。こうした日には、市民が天文台に集まり、天に命を下す王を見守ったとされる。

 そんななかでもおそらく最も有名な遺跡は、約5000年前から夏至および冬至と結びついてきたイギリスのストーンヘンジ。

 円形に並んだ直立巨石の中心部から夏至の日に日の出を望むと、ストーンサークルのすぐ外にあるヒール・ストーンにかかる形で朝日が昇る様子が今でも確認できます。

◆北欧の夏至祭

フィンランドやスウェーデンの人々にとって、6月の夏至祭と12月のクリスマスは一年を通して、同じくらい大切にされている国民の二大行事なんだそうです。

夏至祭はフィンランド語では「Juhannus(ユハンヌス)」、スウェーデン語では「Midsommar(ミッドソンマル)」と呼ばれ、キリスト教が広まる前から行われていた真夏のお祭りです。

地域の文化や伝統によってお祝いの在り方は異なり、大きな広場などに「ミッドサマーポール」と呼ばれる柱を立てて、町の人々が集まって手をつないで回りながら歌ったり、踊ったりする地域もあれば、家族で神秘的な静寂をゆっくり楽しむのが好きな人たちも。

かがり火を焚く理由は、夏至を過ぎると、再び日が短くなり、夜が長くなっていくので、悪い精霊があたりを歩き回き、家のなかに入ってきたりして悪さをすると信じられてきたためで、かつては夏至祭のあいだはかがり火を絶やすことなく焚き続け、悪い精霊を追い払うとともに、豊作を願ったそうです。また、財産や結婚を占う古いおまじないも多く、最も有名なものでは、若い未婚の女性が夏至の夜に枕の下に7種類の花を置いて寝ると、夢で将来の夫に会うことができる、というものがあります。

<天体現象情報>

■6月22日(土):水星がふたご座できらめく 水星を見たことがなければ、日没から30分ほど後に西北西の低空を眺めてみよう。視界の開けた場所なら、ふたご座の兄弟星カストルとポルックスのすぐ左下に水星のきらめきを見つけられるかもしれない。双眼鏡があれば活用しよう。 

■6月22日(日)~23日(月):金星と月とすばるが共演 早起きさえできれば、実に美しい光景を目撃できる。日の出の約1時間前、東の低空で細い下弦の月と金星、おうし座のプレアデス星団(すばる)が2晩続けて共演する。特に23日未明は、明るい金星とすばるの間に繊細な月が挟まれて、肉眼で見える最も美しい3つの天体が並んで輝くので見ごたえ満点だ。月の影の部分が地球上の海や氷冠に反射した太陽光に照らされてうっすら光って見える「地球照」も見逃せない。