2025-9-19 金
SSF Explorer 第77回 9月19日(星空リビング)
「星空リビング」プラネタリウムプランナーかわいじゅんこ先生
先日、京都大学の花山天文台のオンライン天文講座がありまして、時々参加するのですが、8月22日はタイトルでやられました。
金曜天文講話オンライン 8/22「花山天文台と太陽系観測のあゆみ ~ブライアン・メイ博士の訪問をめぐる歴史秘話~」
どうですか!?
聞かずにはいられませんよね?実はこの日の夜は、予定があって、直接は参加出来なかったのですが、録画配信がありましたのでそちらで勉強させていただきました。
QUEENのギタリスト、ブライアン・メイ氏は、天文学者としても有名ですね。そして、その博士号を取った時の論文テーマが「黄道光」なのです。
2007年8月に博士論文「黄道塵(こうどうじん)の中の視線速度(Radial Velocities in the Zodiacal Dust Cloud)」を発表したのです。なんか難しそうですね~
1971年、24歳のブライアン・メイ氏はロンドンのインペリアルカレッジで天体物理学の博士号取得を目指していた。彼は惑星間物質の研究で2本の論文に名を連ねていて、1つは科学雑誌「Nature」に掲載されている。しかし、ギタリストとしてクイーンの立ち上げに加わり、アルバムが大ヒットしたことで、天文学から離れることとなってしまった。それでも、メイ氏の天文学への興味が失われることはなかった。
メイ氏は昨年9月から、約36年ぶりに博士論文に打ち込んでいた。自身のウェブサイトbrianmay.comに掲載されたところによれば、BBCテレビの電話インタビューにメイ氏は「名誉学位ではなく、かつて目指していた本物の学位が欲しかったんです。ほかのものすべてを投げ打って、本当に集中しなければなりませんでしたが、そこから生まれる喜びもありました」と話している。
メイ氏は、スペイン領カナリー諸島のラ・パルマにあるカナリア天文物理研究所で論文「黄道塵(こうどうじん)の中の視線速度(Radial Velocities in the Zodiacal Dust Cloud)」に取り組んでいた。黄道塵は太陽系の黄道面に分布する、彗星や小惑星を起源とする微粒子であり、太陽光を散乱したときの輝きは空が暗ければ地上からも観測できる。
さらに、7月23日と24日にはラ・パルマ天文台の口径3.6メートル光学望遠鏡で黄道塵のスペクトルを観測した。8月23日にはインペリアルカレッジで論文を発表し、審査を経て博士号を授与される見込みだ。
観測に協力したカナリア天文物理研究所のGarik Israelian教授は、「彼が36年前に博士号を取得していたら、科学の分野でもきっと輝かしい成功をおさめていたことでしょう。でも、クイーンのファンとしては、科学の分野からしばらく離れてくれてよかったといえますね」と話している。
なお、メイ氏はこれまでもさまざまな形で天文普及に携わってきた。英国の著名な天文解説者パトリック・ムーア氏らとの共著「BANG! 宇宙の起源と進化の不思議」は、邦訳が7月に発売されている。また、現在は天文のための曲づくりにも着手しているとのこと。その曲は、ラ・パルマ天文台で建設中の「カナリー巨大望遠鏡(GTC)」の落成式でお披露目される予定だ。
では、その「黄道光」とは一体何なのでしょうか???
天文学辞典によると、天球上で太陽近傍を中心に黄道面(地球軌道面)に沿って観測される淡い光の帯。とのこと。
まずは、黄道から。
黄道は太陽の見かけの通り道。「黄道12星座」は、太陽の通り道にある星座で、星占いの誕生日星座のことです。
その黄道に沿って淡い光が見える。それが黄道光です。その原因は、黄道面付近には彗星からの放出や小惑星同士の衝突で生成された塵がただよっており、それらによって太陽光が散乱されるからです。
でもいつでも見られる訳ではないのです。北半球では、よく晴れた春の夕方の西の空、あるいは秋の早朝の東の空で観測しやすいのです。これは、地平線と黄道とのなす角が最も大きくなるためです。一番角度が大きくなるのは、春分の日と秋分の日。秋は、夜明け前ですから、またまた、早起きが必要ですね!
9月23日(火)の日の出時刻は5:29。1時間前というコトは4時半ですね。
黄道光は、柱やピラミッドの形に見えるそうです。そして色ですが、赤みを帯びていないということで、実際の夕暮れと区別できます。赤系は地球の大気の影響ですが、黄道光は大気の外から来ています。実際、それは太陽系の内側にある太陽を周回する惑星間塵に反射する太陽の光なのです。しかし、これらの塵はどこから来るのでしょうか?科学者たちは、黄道光の原因となる宇宙塵は、小惑星や彗星によって生成されると長い間考えてきました。しかし、新しい研究が示しているこの宇宙塵の主な発生源は火星のダストストーム(砂嵐)である可能性があるそうです。
という難しいお話しもありますが、結局のところ、黄道光が見てみたいということなのです。条件としては、今度の秋分の日はいいんですよ。月明かりがないし。あとは、淡い光を見るための暗い空。。。東の空が暗い所に行けるといいですね。千葉の外房は東が海だから良いかも。
それから、ブライアンの論文を読んでみたいという方は、探せば手に入るし、ネットで検索すると、「読んでみた」という方が何名かいらっしゃるので、わかりやすく解説してくれています。
じゅん先生も、晋道もQueenのファンなので大興奮です。
花山天文台に行ってみたいです。(サインが見たい!)