2018-4-2 月
SHONAN BEACHFM MAGAZINE Vol.49 DRIVING E-MODE
クルマが大好きな、あるいは大好きだった30~60代の大人が「MITSUBUSHI」と聞いて思い浮かべるのは、
ランサーエボリューションのハイテクで武装した超高性能とパジェロの道を選ばない走破性・信頼性だろう。
WRC(世界ラリー選手権)やパリ–ダカール・ラリーの大活躍は伝説として語り継がれているし、
世界のモータースポーツファンからは常に尊敬の対象だ。
僕らの欲しい「MITSUBUSHI」はランエボの走りとパジェロのタフネスに、
安全性・快適性・燃費・環境・情報通信・スタイリングなどを現代~近未来の基準にアップデートしたクルマ。
とはいえチャンピオンを目指すわけではないから、気軽に連れ出せるちょうどいいパッケージがいい。
2018年3月、そんな理想のクルマが登場した。!
その名も新型コンパクトSUV「エクリプス クロス」。
パワーユニットは1,500ccのガソリン直噴ターボ。かつてターボは有り余るパワーと引き換えに燃費は極悪、というイメージだった。
しかし現在、特に欧州ではエンジンを小型化しつつ同等の性能を得る「ダウンサイジングコンセプト」が主流で、
ターボはそのためのクレバーな手段だ。ものすごく大ざっぱに説明すると燃費と走りを両立できるということ。
2,400ccに相当するというだけあって、街乗りから高速道路までのどんな速度域からも伸びやかな加速が得られる。
箱根の坂だって余裕たっぷり。静かなキャビン高い着座位置による見晴らしの良さで、助手席や後部座席まで快適そのもの。
退屈だった移動時間を至福のひとときに変えてくれる。
圧巻は4輪を統合制御する「S-AWC」。さまざまな路面で駆動力を確保する4WD(パジェロだ!)
と高い旋回性能と走行安定性を確保するAYC(ランエボだ!)、
さらに横滑り防止装置(ASC)やブレーキング時のロックを防ぐ装置(ABS)を緻密に協調させてイメージ通りの走りを実現してくれる。
たとえば曲がりくねった峠道で運転がうまくなったと感じるだろう。
突然の大雨や雪に見舞われることが増えた昨今、いざという時に頼れる存在でもある。
トランスミッションはスムーズかつ効率に優れた8速スポーツモードCVT。
パドルシフトを駆使すればワインディングロードも自由自在。普段はジェントルに、週末にはラリードライバーの気分に浸るのもいい。
ただし、くれぐれもスピードは控えめに。
とはいえ、いざ自宅にSUVを迎えるとなると躊躇する家庭も多いはず。
そこで「普通のクルマ」とサイズを比較してみよう。カローラフィールダーは全長4,400mm、最小回転半径5.5m。
エクリプスクロスは4,405mm/5.4mとほぼ同数値。見た目のボリューム感からすると驚くほどコンパクトなのだ。
違いは幅と高さで、フィールダーの1,695mm/1,510mmに対して1,805mm/1,685mmとひとまわりずつ大きい。
でも小回り性能に問題はないし、直線基調の車体は車両感覚がつかみやすい。逗子や葉山の路地でも困ることは少ないはずだ。
機械式の立体駐車場は厳しいが、それさえ除けば問題になることはないだろう。
もはや「普通のクルマ」に対するネガティブな要素は見当たらない。
衝突被害軽減ブレーキシステムをはじめ最新の安全デバイスは「全部入り」だと思っていい。
スマートフォン連携ディスプレイオーディオは、スマホとクルマの関係を安全に配慮したうえで解決してくれる。
常に最新データのナビとして使えることも見逃せない。まるで金属の塊から削り出したようにシャープで知性的なスタイリングも実に魅力的だ。
エクリプスクロスの登場で、僕らの欲しかった「MITSUBISHI」が手の届くところまでやってきた。
さらにダメ押しを……これだけの内容にもかかわらず、自動車税額は排気量1.5リッター未満のクラス。
「普通の」コンパクトカーと同じであることをお忘れなく!
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