2019-11-8 金

Daily Zushi-Hayama Friday 11月8日 OA

◆「星空リビング」プラネタリウムプランナーかわいじゅんこ先生。

今日は、「立冬」ですね。なんだか秋は、雨、台風で大変な時期になってしまいました。

冬は、どうでしょうか?実は、先日、鳥取と岡山に行っていたのですが、カメムシがすごくたくさんいたんですね。すると、「カメムシが大量発生する年は、雪が多い」という話を聞きました。冬は、雪にも気を付けないといけないかもしれません。

 

鳥取で、開催されたイベントで、地元の天文愛好家の方の写真が展示してありました。そこには、「カノープス」が写っている写真がありました。カノープスとは、りゅうこつ座の1等星です。この辺りから見ると、高度は2度くらい(1本の幅分くらい)。相当低いですよね。その星が、日本海側の鳥取県で撮影されたのです。標高が1071mの山頂からでした。すごいなーと思って、先輩に話をしたら、どうやら、日本海側の海からも見えるそうで!またビックリ!!山陰は、西に行けば行くほど緯度が関東より低いのです。

カノープスには「南極老人星」という名前もあります。これは中国から伝わってきたもの。古代中国の政治的中心地となった黄河流域(現代の西安など)では、カノープスは南の地平線すれすれに現れる奇妙な赤い星として知られていました。見えるときもあれば見えないときもあることや、縁起の良い赤い色であることなどから、中国ではカノープスが見えると縁起がいいとされていました。また、南極老人とは、日本の七福神の寿老人あるいは福禄寿の元になった神様で、長寿をつかさどるとされてきました。そのため、この星を一目見ると寿命がのびるという話が有名です。ちなみに、東京や大阪などの緯度は古代中国の中心地とほぼ同じなので、当時と同じ感覚でカノープスを見ることができるかもしれません。実は、毎年元旦の0時にカノープスは南中するのです。除夜の鐘を聞いて、年越しをしたら、カノープスを探してみるのもいいかもしれませんね。

「カノープス」とは、トロイア戦争で活躍した将軍メネラオスがひきいる船団の水先案内人の名前とされています。また、古いエジプト語で「大地(すれすれ にある)黄色(に見える星)」を意味する言葉の変形とする説もあります。

日本では、「横着星」「ナントカの横着星」と呼んで、南の方の地名を付けてチョット昇ったらすぐに沈むこの星をこう呼ぶ地方もありました。また地域によって、様々な名前でよばれていて、お話しするには、時間が足りません。またいつか機会がありましたら、お話しさせてください。