2021-1-15 金

Daily Zushi-Hayama Friday 1月15日OA

◆「星空リビング」プラネタリウムプランナーかわいじゅんこ先生

今日は、外に出るなと言われているこんな時期。それでも、じっと家にいたら息苦しくなっちゃうということで、騒がずに短時間で楽しめる星空観察をご紹介します。

これは、短期決戦ですから、かなりドキドキしますよ。

実は、1月24日(日)に、水星が「東方最大離角」という状態になります。

これはどういうことかというと、太陽の一番近くを回っていて、地球より太陽の近くにいるということで、金星と同様に地球から見ると、ずっと太陽の近くにいて、なかなか見ることが難しい惑星。それでも、太陽が沈んですぐの西の空の宵の明星や、太陽が昇る直前の東の空に見える明けの明星があるように水星も太陽が沈んだ西の空と昇る直前の東の空に見える時があるのです。でも、水星は太陽に近いので、一番離れて見える時でも、あっという間に沈んでしまうという惑星です。(角度で言うと、最大で27.7度しか離れない)

水星の太陽からの平均距離は5791万kmです。(地球と太陽の距離は、1億4960万キロ)太陽系の惑星の多くがほぼ円に近い軌道を回っているのに対して、水星の軌道は楕円で、太陽にもっとも近づく近日点での距離は4600万km、最も離れた遠日点での距離は7000万kmにもなります。水星は87.97日で太陽を1周します。自転周期は58.65日で、公転周期と自転周期は3:2の比率になっています。これは、水星の自転と公転は 2:3 の共鳴関係にあるということで、すなわち、太陽の周囲を2回公転する間に3回自転するのです。

水星の1日は176日で、昼が88日、夜が88日です。

水星の直径は4878kmで、地球の約5分の2です。表面は多数のクレーター(衝突跡)でおおわれており、月によく似ています。しかし、溶岩が流出して固まった「海」にあたる部分はあるものの、月の海ほど暗くはありません。

水星には大気がありません。太陽光の直射にさらされた水星表面の温度は最高で400度C以上にもなりますが、夜の部分はマイナス170度C以下にまで下がります。

そんな水星が、見頃を迎えるのです。しかも朝早起きをしろというのではなく、夕方の西の空低いところを探してみて、というものです。

先日、もう私は、水星を見ました。木星も近くに輝いていました。

これから、どのように観察をしたらいいのか?というと17時半くらいに逗子海岸のように西が開けている浜辺に行きましょう。そして、西南西の方角の水平線から10度以下のところに輝くのが水星です。運が良ければ、それより右下の方に木星も見つけられるかもしれません。それも明日くらいには難しくなってしまいますが、水星はここから、どんどん高度を上げていきます。ということはもう少し暗くなる17時45分くらいにも見えているということです。東方最大離角の24日は、水星が沈むのは18時30分頃ですから、短時間でなんとか見つけてください。まだ空が薄明るい時は、双眼鏡などを使うと探しやすいと思いますよ。

古代ギリシア世界では、宵の水星にヘルメス、明けの水星にはアポロンを対応させていたが、やがてこの2つの星が同一のものであることに気づき、内周惑星で運行が速いことから、ヘルメスと同一視されていた俊足の神メルクリウスの名があてられ、これが英語のマーキュリー(Mercury = 水星)の語源。