2021-2-18 木

ずしし環境会議まちなみと緑の創造部会・礒貝高広さん小林宏一郎さん 

今日は寒さの底?なんだとか。

先月に出来上がりました、冊子「逗子の水辺の生きものたち その2(外来種・田越川のアカミミガメについて)」ずしし環境会議まちなみと緑の創造部会 礒貝高広さんと小林宏一郎さんをゲストにお話いただきました。

                

           (一時的にマスクを外して撮影させていただきました。)

これまでも 「逗子の自然環境を次世代にどのように伝えるか」をテーマとして 「いきもの観察会」を開催するなどの 活動を続けていらっしゃいます。ちょうど3年前に冊子「逗子の水辺の生きものたち(河川・磯の市民観察会・報告会)」に ついてもご紹介いただきました。

田越川というと逗子市民にはおなじみ、逗子市内を東西に横断している約6キロの川、私もよく富士見橋や清水橋から川面をのんびり眺めることがあります。 先日はアオサギを見つけました。このほか、コサギ、カルガモ、カワセミ、ダイサギ、ボラ・・など川沿いの散策路を歩くとたくさんの生きものに出会えます。

今回この冊子では アカミミガメに注目しています。アカミミガメはアメリカ合衆国から南アメリカ北西部が原産。1950年代後半に幼体がペットとして輸入され、「ミドリガメ」の名称で販売されるようになると、60年代には野生で見るようになり全国で定着が確認。水質汚濁に強く、河川や湖沼のほか河口の汽水域まで様々な水域に生息。雑食性で在来のニホンイシガメや水生動植物へ影響を与える可能性などから環境省・農林水産省が作成した「生態系被害防止外来種リスト」では「緊急対策外来種」に指定されているそうです。

小林さん礒貝さんらは、2010年から「逗子市街地の中心を流れる田越川にどんな生きものが観られるのか」を目的に生息種の観察調査を行っており、田越川に生息する水棲カメ類のうち、外来種アカミミガメの目視調査を実施しました。

田越川での10年間におよぶ観察記録からわかったこと、皆さんに知って欲しいことなどもお話くださいました。

                

10年間の観察の結果、田越川の流路延長約6Kmのうち、愛染橋から田越橋までの3・7Kmの区間に現在、国外外来種のアカミミガメが約30匹いることが判明。オスがメスに求愛している様子や産卵行動、幼体が生息している姿も確認し、繁殖していることもわかりました。在来種のニホンイシガメは見ることはできませんでした。

外来種が定着していること、天敵がいないため、今後長寿化し、増えていく可能性があると指摘します。

時々、外来種のカメやコイにエサを与える市民や、それを楽しそうに見る親子の姿を見かけることもありますが、「外来種が棲みつく要素になるだけでなく、エサ自体が環境汚染になります」と

田越川に生息するアカミミガメはいずれもペットとして飼育されていた個体が遺棄されたり、逃亡した個体の集団です。

最後に (田越川の)足元の自然に触れて幸せな気分になるという声をよく聞きます。きれいな川のままで今の自然を次の世代に残していきましょうとお話くださいました。

冊子は逗子・葉山両図書館、逗子市内の小中学校。ずしし環境会議まちなみと緑の創造部会フェイスブックページでも公開、PDF版がみられます。