2022-8-25 木

横浜こどもホスピスプロジェクト 代表理事の田川尚登さん

「モアナピープル」今日のゲストは、モアナサポーターの上田香織さんからのご紹介、 認定NPO法人『横浜こどもホスピスプロジェクト』代表理事 田川尚登さん。

                

『横浜こどもホスピス』は 「うみとそらのおうち」という施設名で、場所は京急線金沢八景駅より徒歩15分の平潟湾沿い、関東学院大学のキャンパスの隣に、2021年11月に開設されました。

まず「こどもホスピス」とは?

~命にかかわる病気の子どもとその家族が対象で、家族一緒に楽しい時間を過ごせる施設です。 2階建ての大きな家のような建物で、リビングやオープンキッチン、家族で一緒に入れるお風呂、個室もあります。この7月からは宿泊も開始しました。 子どもにとったら入院中は制限があって遊びもあまりできない、親にとったら介護が続く状況のなか、家族一緒に来てもらって日常を忘れてもらうというか。子どもや家族でやりたいことを、我々スタッフが叶えていく居場所ですね。

田川さんがこのような施設を開設しようと思ったのは?

~実は自分も遺族です。1998年の2月に、当時6才だった次女が脳腫瘍で亡くなっています。 その前の年の夏前から体に異変が起きてきて。現在でも治療方法が確立されていない病気で、診断まで時間がかかったのですが、分かってからはすぐに余命を告げられました。そのときに言われたことは、治療方法がない中でどうやって余命を過ごしていくかということで、家族で楽しいと思える時間を過ごす、それしか方法がないと言われました。 この言葉が、のちに「こどもホスピス」に結びついていきました。

現在の「こどもホスピス」設立までの経緯は?

~僕は当時会社員だったんですが、二足のわらじで友人たちとNPO法人を立ち上げ、家族の立場から小児医療環境の改善活動を始めました。その後、2008年に六ツ川にある「神奈川県立こども医療センター」のそばに、患者である子どもやその家族が宿泊滞在できる施設「リラのいえ」を開設し、運営していました。 そこを運営していくなかで、イギリスやドイツではメジャーな「こどもホスピス」というものに出会って実現したいと。看護師さんからの遺贈もあって、こちらの流れにシフトしていきました。 会社員も辞めて、現在の『横浜こどもホスピスプロジェクト』につながるNPO法人も立ち上げ、本格的に準備活動を始めました。 そして横浜市より認定NPO法人の認定も受けて、市と協働で「うみとそらのおうち」が形になっていきました。

こどもホスピス「うみとそらのおうち」、実際に利用したお子さんの様子は?

~未就学のお子さんが多くて、小児がんが半分ぐらいです。普段病院では痛みを訴えたり弱った表情が多いそうですが、ここにくると我を忘れたように遊んでいますね。なかなか見せない笑顔を見せて、痛いとも言わずにひたすら遊んでいます。そして、帰るときに必ず「あー、楽しかった」とバイバイしてくれるんです。「楽しかった」だけではなく、「あー」とつくのが特長です。 横浜市との協働事業なので、金沢区役所や自治会・町内会、民生委員・児童委員、社会福祉協議会の方などにも、この場所の意味やどのような施設かを共有してもらって、地域の方からも知られるようになってきました。 お隣の関東学院大学の授業の一部でお話させてもらったり、学区の小学校で全校児童向けにお話する機会もありました。

そんな田川さんの「私の好きな湘南」「お勧めの湘南」は?

~葉山の「力餅家」さんです。老舗和菓子屋さんですね・・実は高校時代からお付き合いがあるのです。

さて、「横浜こどもホスピス うみとそらのおうち」の情報は公式ホームページ、Instagram、Facebookでご確認下さい。「横浜こどもホスピス」で検索を!Instagramを見てみると 「9月4日にメリーゴーランドがやってくる!遊園地にいるような楽しい時間を届けたい」