2022-10-7 金

Daily Zushi-Hayama Friday 10月7日OA

◆HOME MOVIE DAY in HAYAMAについてシネマチェルキオ葉山代表の高木 雛さんにお話を伺いました。



シネマチェルキオとは?

ホームムービーデーを開催するにあたって今年の1月に立ち上げた運営団体です。

チェルキオというのはイタリア語で輪っかや円を表す言葉なので、英語ならサークルになります。

映画フィルムはコアと呼ばれる丸い芯を中心に円形に巻かれるというイメージもあって、映画フィルムを中心とした人の輪が広がっていけばいいなという気持ちでこの名前にしました。


何故、ホームムービーを取り上げられたのですか?
ホームムービーは一般の人々が自身の周辺を記録しようとしたもので、純粋な記憶が焼き付けられているものだからです。

私は映画は記憶を記録しているメディアで、それを見ることで自分以外のひとの視点を共有できる、自分の世界を広げることができるものだと思っています。娯楽だけではなく、視野を広げてくれるものとしての映画の魅力を、ホームムービーを通じて地元の皆さんに紹介したいです。

ホームムービーの魅力は、どんな所?
たくさんあるのですが、今回は二つあげさせてください。

ひとつは、葉山の中の見慣れている場所でも今とは違う建物があったり、今では見ないファッションの人が見られたり、なにこれ!知らない!おもしろい!と思えることがたくさん出てくることです。

もうひとつは、今回上映するのは8mmフィルムという家庭用に販売されていた幅が8mmの小さなフィルムなのですが、一コマは4mm×5.79mmとかなり小さいです。その小さな一コマ一コマの写真が、スクリーンに拡大して映写されて動き出すと、魔法を見ているみたいでわくわくします。

■10
月第3土曜日はホームムービーデーなのだそうですね。
毎年10月の第3土曜日は、ホームムービーの日 Home Movie Day-HMD

HMD
は、子どもの成長記録、地元のお祭り、ちょっと恥ずかしい学生時代の自主映画など、地域や家庭に眠る映画フィルムを内容を問わず持ち寄って上映する国際的な記念日として、世界17カ国100都市で祝われています。日本では、初年度の2003年から映画保存協会が普及に努め、10年目の2012年には、国内19会場にまで広まりました。

今回、上映される作品について教えてください。
今回は春から募集をかけて、フィルムが7時間20分とフィルムをDVD化されているものが3時間ほど集まりました。提供して下さった方々は11名です。これを5時間ほどの長さに調整して、フィルムのものは基本的にフィルムで上映します。

見どころ。
子供の成長を記録したホームムービーといっても、つつじ祭りやふるさとまつりなどの行事、森戸神社や御霊神社へのお参り、各学校・幼稚園での運動会、マリーナのプールで遊んでいる様子など地域の風景がたくさん写っているものがみつかりました。

そのほかにも70年代後半にサーフィンを立ち泳ぎしながら撮影したフィルムや、1962年の葉山のボーイスカウトの発団記念式典の行進のフィルムなど、家族とはすこし違った視点の貴重な記録もあります。

どんな方に観に来て欲しいですか?
懐かしいと感じる上の世代の方々にも来てもらいたいですし、今の葉山に馴染みのある若い方々にもぜひ来ていただきたいです。
子供たちも、初めて見るものばかりで面白いんじゃないかと思います。
誰かが忘れたくないと思った情景を、今生きているひとに引き継げるような場に出来たら嬉しいです。

ところで、8mmフィルムは音はあるのですか?
音を記録することもできるのですが、今回集まったフィルムは無音です。
でもその分解説もしやすいですし、見ている人が写っているものが何なのかを自由に発言することで見えていなかったものがみえるようになります。

運営しているメンバーで試写をしている時も、当日一緒に司会をしてくださる有友さんという方が、写っている車の車種で「うわー!」と興奮していたりして面白かったですし、サーファーの皆さんに試写していただいた際も「この時は今と比べてぜんぜん人がいないね」など自分だけでは気づけないことを聴くことができました。

会場では頭の中の言葉がそのまま出ちゃうモードに切り替えて、知ってるものが出てきたら、ぜひ声に出してもらいたいです。
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当日のタイムテーブルと作品紹介はホームムービーデ―in葉山のホームページや、運営団体のシネマチェルキオ葉山のSNSでご確認ください。

HOME MOVIE DAY HAYAMA
日時:1015日(土)
112301500
215301830
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部と2部が有りますが、上映するのは違う作品です。

入場料:無料(入退場自由)
上映媒体:8ミリフィルム、DVD
会場:葉山港 港湾管理事務所3階多目的ホールAB
京浜急行バス「葉山一色行き」バス「鐙摺」下車3分。
お車でお越しの方は葉山港有料駐車場をご利用ください。

◆「星空リビング」プラネタリウムプランナーかわいじゅんこ先生。

最近の話題と言えば、若田さんが5回目の宇宙へ!

と、以前にもお話ししたNASAの「DART」計画。やりましたね!映画のように、小惑星の衛星に宇宙機を当てて、公転速度を遅くする!と言う計画です。

(因みにGoogleで「dart計画」と検索してみてください。ちょっと面白い事が起こります)

今日は、以前お話ししたペルセウス王子のお話しの続きです。

ペルセウスと言えば、エチオピア王家の物語にも登場して、大活躍ですが、それよりも前からいろいろなお話しがあるのです。まずは誕生から。

アルゴスの国王・アクリシウスには、ダナエという美しい娘がいました。
ある夜、アクリシウスは夢を見るのですが、それは「将来、お前は娘が産んだ男子に滅ぼされる運命にある」という神のお告げでした。
驚いたアクリシウスは、これを恐れ、ダナエを城の中にある高い塔のひと部屋に閉じ込め、決して誰にも合わせないようにします。

ダナエは、ひとり塔に閉じ込められた日々を過ごしていたのですが、ある時、大神・ゼウスは天空からダナエを認めます。
ゼウスは、黄金の雨となってダナエに降り注ぎ、やがて、ダナエはひとりの男の子を出産します。それがペルセウスです。
アクリシウスは大慌て。自分を滅ぼすかもしれない男の子が生まれたので、これには困りました。それに、半分はゼウスの血を引いているのですから、どうにも困り果ててしまいます。アクリシウスは、ふたりを遠くへやってしまう事を考え、乱暴にも、ふたりを大きな木箱に詰め込んで、海へと流してしまいます。この木箱は、やがてセリポスという島に流れ着きます。木箱は島の漁師・ディクテスによって拾われるのですが、蓋を開けてみると、子どもを抱いて泣いている美しい女性が閉じ込められていることに、ディクテスはとても驚きます。
ディクテスは心が優しく、小さなペルセウスとダナエを、自分のうちへ連れて行きます。
そして、やがてはダナエも落ち着き、ペルセウスもたくましい青年として成長していきます。セリポス島の王でもあるディクテスの兄・ポリデクスは、美しいダナエを我がものにしようと思うのですが、ダナエはディクテスへ心が引かれ、ポリデクスなどは相手にしません。そればかりではなく、ポリデクスにはたくましいペルセウスも邪魔で仕方ありません。
そこで、ある祝宴の席で、ポリデクスはペルセウスに難題をふっかけます。
ポリデクス王の誕生日には祝いの宴が催されていました。この祝宴の席で、ポリデクスは「お前は何を祝いの品としてもってきたのか」と、ペルセウスに問いかけます。

ペルセウスが何も持ってくることができないことを知っての問いですが、ペルセウスは「今は何も差し上げられませんが、いずれはゴルゴンの首でも献上いたしましょう」と答えてしまいます。ポリデクスは待っていたとばかりに、「では、さっそくその首を取ってきてもらおうではないか」と、ペルセウスに言いつけてしまいます。
このゴルゴンの首というのは、ポルキュスという怪物と、怪魚の女神・ケートーとの間に生まれた、三姉妹の怪物たちで、それぞれ、ステノー、エウリュアレ、そしてメドゥーサという名前で、ステノーとエウリュアレは不死身の怪物でした。

(前回までのあらすじ)

アルゴスの美しい姫「ダナエ」はゼウス見初められ、神の子を身ごもってしまいます。

そして、ペルセウス王子を産みます。娘の産む男子に滅ぼされると神託を受けた父王は二人を海に流します。流れ着いた島で心優しい漁師に助けられ、二人は幸せに暮らしていましたが、漁師の兄はこの国の王で、かねてより美しいダナエを自分のものにしたかったのです。しかし、立派な青年に育っていたペルセウスが邪魔でした。そこで王の誕生日の宴会に何も持ってこられない貧しいペルセウスを招待して、「いつか、ゴルゴンの首でも献上いたしましょう」と言わせます。すかさず王は、スグ取っ手まいれ!と命令。。。

さてさて

このゴルゴンの首というのは、ポルキュスという怪物と、怪魚の女神・ケートーとの間に生まれた、三姉妹の怪物たちで、それぞれ、ステノー、エウリュアレ、そしてメドゥーサという名前で、ステノーとエウリュアレは不死身の怪物でした。

この三姉妹は、神々の罰を付けて、天か地かとも分からないところに住んでいましたが、メドゥーサは、髪の毛はすべて蛇の首で、ライオンのように鋭い牙をもっていて、ゾウのように大きい体をしていました。そればかりでなく、黄金の翼をもっていて、空を飛ぶことが出来るほか、その姿を見たものは、恐ろしさのあまり石になってしまうという怪物です。

さて、このゴルゴンの首を取ってくると言ってしまったペルセウスですが、約束はしたものの、いったいゴルゴンがどこに居るのかさえ分かりません。ペルセウスが困っていると、大神・ゼウスは、知恵の神・アテナと伝令の神・ヘルメスに、ペルセウスのことを頼みます。

ヘルメスは、自由に飛ぶことができる靴を、アテナは鏡のように輝いた剣と楯をペルセウスに与えます。しかし、まだ武器は足りません。残りの2つはニンフが持っているのですが、そのニンフの居場所を知っているのはグライアイという3人のおばあさん。グライアイも三姉妹の怪物で、三人でひとつの目と一つの歯だけしか持っていなくて、必要な時だけ貸し借りをしているような怪物です。

ペルセウスはその目と歯を奪って、ニンフの居場所そしてゴルゴンの居場所を教えてもらいます。ニンフのところへ行って、残りの武器、それをかぶると姿が見えなくなる帽子とドゥーサの首を入れる袋をもらいます。これで、完璧!

ようやくぺルセウスはゴルゴンの元へと向かいます。

果たして、ゴルゴンは、地の果ての天か地かも分からないようなところに住んでいましたが、この時、ゴルゴンはぐっすりと眠り込んでいました。ステノーとエウリュアレは不死身の怪物なので、ペルセウスはメドゥーサに近寄ります。アテナから贈られた鏡のような楯を使い、直接その姿を見ないようにして近づいていきます。
ところが、メドゥーサの髪の毛の蛇だけは、眠っていませんでした。
蛇はペルセウスに襲い掛かってきましたが、ペルセウスは剣でこれらを切り払い、メドゥーサの首も切り落としてしまいます。流れ出たメドゥーサの血からは、一頭の馬が飛び出しましたが、これが、あとに星座になる天馬・ぺガススです。
この騒ぎに、ステノーとエウリュアレは目を覚まし、事の様子を知ると、怒りにもえてペルセウスに襲い掛かってきます。しかし、ペルセウスは、ヘルメスからもらった袋にメドゥーサの首を素早くおさめ、姿を隠す兜をつかって身を隠し、ぺガススと共に空へと逃れていきます。こうして、ペルセウスはゴルゴンの首を手に入れることが出来たのですが、ペルセウスの冒険はさらに続きます。

そして、この物語もさらに続きます。壮大なドラマですね。

このお話に出てきた星々を探して、秋の夜空を眺めてみてください。