2023-8-18 金

Pachamama LOVE THE BEACH 8/18 onair

こんにちは。

村椿菜文です。

夏の大人の読書のおすすめ、池澤夏樹作『夏の朝の成層圏』を今日はご紹介しました。

物語は現代版ロビンソン・クルーソー。

南洋を航行中の船から落ちてしまった主人公の男が流れ着いた島で生きるために生活を切り拓いていきます。

この小説を読んでいると、文明ってなんだろう、と考えさせられます。

何もない小さな島で原始的な生活を始める中で大変な苦労がありながら、

やがて主人公の男は自然と一体になって生きることに至福を感じるようになります。


環境問題や貧困の問題が解決できない今、人間の暮らしが欲望のままに拡大していくことがいいこととは思えない、

けれど単純に原始の生活に戻ればいいというわけでもないでしょう。

では、人の暮らしの「ちょうどいい」ってなんだろう、と読み終わったあと考えていました。

簡単に答えが出ることではないですし、きっと人それぞれ違うでしょう。

一人ひとりが自分の「ちょうどいい」を見つけることが大切なのかなと感じました。

『夏の朝の成層圏』池澤夏樹

過酷な中にも夏の朝の青空のような突き抜ける開放感と清々しさのある一冊です。