2023-10-26 木

Espanoletas 葉山在住のハープ奏者・伊藤美恵さん

ハープとガンバ、打楽器で綴る「Espanoletas エスパニョレタス」と題したコンサートが 11月5日(日)、旧東伏見宮葉山別邸で開催されます。 葉山在住のハープ奏者の伊藤美恵さんをお迎えしました。

                

シリーズ「古楽ハープと巡る音楽の歴史」は毎回素敵なゲストをお迎えして、中世からバロック時代までの楽曲をハープとのコラボでお届けする企画で、今回は第6回になります。

はじめたきっかけは、普段演奏活動の90%以上が東京での公演でしたが、コロナ禍最初の年に、夏まですべてのコンサートが中止になり、葉山に滞在する時間が長くなりました。そんな中、このエリアで何かできれば、と思った事がきっかけです。 また、伊藤さんは古楽と呼ばれる古いヨーロッパの音楽を専門としていて、 海、山があり、豊かな自然、人との関わりを大切にしている逗子・葉山の人々に通じるものが昔の音楽にはあるので、ここから古楽を発信していくことで、古楽器の魅力を多くの方に知ってもらいたいという思いがあります。

第6回シリーズの今回は、『エスパニョレタス』がテーマです。演奏する曲の一つが、17世紀の作曲家・リバヤス作曲の『エスパニョレタス』で、そこからタイトルにしました。 もともとエスパニョレッタといってスペインをイメージした当時ヨーロッパで広く流行した3拍子の舞曲です。そのエスパニョレッタが沢山の変奏で繰り広げられるため、複数形のエスパニョレタスとなっています。

出演は4人で、 まずヴィオラ・ダ・ガンバ奏者の武澤秀平さん。

ヴィオラ・ダ・ガンバは、ルネサンス時代に誕生した楽器で、一見チェロに似ていますが、弦の数や調弦、弓の持ち方など異なる別の楽器で、脚で支えて演奏します。柔らかで繊細な音色と深い味わいがなんとも美しい魅力的な楽器です。教会や宮廷において重要な楽器の一つで王侯貴族のたしなみとして盛んに演奏されていました。

パーカッション・蔡怜雄さんは、ボストン大学で打楽器を学ばれ、イラン・ペルシャ音楽やヨーロッパの中世音楽を中心に、多彩に楽器を弾きこなす奏者です。今回も複数の打楽器を演奏してくださいます。

ソプラノの鈴木美登里さんは、オランダ、ハーグに留学し、グレゴリオ聖歌からバロックに至る古楽声楽の分野で活躍され、主宰されている声楽アンサンブル 『ラ・フォンテヴェルデ』では、モンテヴェルディのマドリガーレ全曲演奏・録音という偉業を達成し、ペンクラブ賞を受賞されています。伊藤さんもこのアンサンブルで弾かれました。

そして伊藤美恵さんは今回スパニッシュ・ダブル・ハープを演奏します。スペインでルネサンス・バロック時代に活躍したこのハープは、弦が2列に交差して張られた半音階のハープ(1列が全音・ピアノの白鍵、もう1列は半音・ピアノの黒鍵にあたります)。 高音域はまるでバロックギターの様に明るく軽やかな音色で、低音域はパーカッションのようにパワーがあります。世界的にも奏者が少なく、ほとんど国内では見ることのできないハープなので、ぜひ間近で音色を聞いていただきたいです。

演奏曲目 スペインの黄金世紀に活躍したムダーラやナルバエスの歌曲やハープを使用楽器に指定した、カベソンやエネストローサの作品、ヴィオラ・ダ・ガンバの変奏・装飾法をまとめた『変奏論』の著書オルティスのレセルカーダ、17世紀の宮廷作曲家ホセ・マリンの世俗歌曲やセバスティアン・ドゥロンの歌曲、冒険家でもあったリバヤスの舞曲まで、ルネサンス、バロック時代の曲を、歌とハープ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、パーカッションでお届け致します。

聴きどころは・・古い時代のスペインの音楽、静かな音楽から活気に満ちたリズムとエキゾチックな旋律が印象的な曲まで、古楽器の多彩な音色と歌を楽しんでいただきたいです。 また、演奏だけでなく奏者によるお話しを交えながら、歴史背景や関連絵画などもご紹介できればと思っています。

                 

昼の部14時開演、夜の部17時開演 

昼の部14時のチケットは、残りわずかとなっています。 夜の17時からの部はまだ残席があります。

お申し込みは TEL 070-2667-2841   MAIL: salon.earlymusic@gmail.com

最後に伊藤さんから

~歌とハープ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、パーカッションでお送りする、スペインの古い音楽。会場は、洋風宮廷建築の雰囲気を色濃く残す、古楽演奏にも適した響きの心地よいホール、旧東伏見宮葉山別邸です。ぜひいらしてください。

番組内では 

①リバヤス作曲 『ガリャルダス』 

②アロンソ・ムダーラ作曲 『誰か私を呼ぶような』 ホセ・マリン作曲 マリーカ、もし僕のものにしたいなら

③ホセ・マリン作曲 マリーカ、もし僕のものにしたいなら

演奏 ソプラノ:鈴木美登里(みどり) スパニッシュハープ:伊藤美恵  パーカッション:蔡怜雄(さいれお)

リスナーさんからも「素敵な演奏でしたね・・癒されます」とX(旧Twitter)