2025-4-25 金

SSF Explorer 第56回  4月25日(池子の森ホタル観察会)

今日は「池子の森のお話」池子の森自然環境調査会 ホタル案内人で環境カウンセラーの片山舜輔さんにお話を伺いました。

昨年夏からずっと水中で生活していたゲンジボタルの幼虫は3月下旬に上陸しました。そして土の中で蛹(さなぎ)になって、現在はゲンジボタルになるための最後の変態、これを羽化と言いますが、羽化が進行していると推定されます。そして、池子では515日頃には最初のゲンジボタルが現れると予想しています。

(ホタル観察会のスケジュールと概要)

今年のホタル観察会は、5月下旬のゲンジボタル観察会と6月中旬のヘイケボタル観察会の2回実施する予定です。本日は日程が決まっているゲンジボタルの観察会について説明をいたします。市民の皆さんをお招きするゲンジボタルの観察会は5月24日から530日迄の間に5日開催します。

観察会のメニューですが、先ず土日開催日の524日と25日には、ビジターセンターで受け付けをしていただいた後、スライドを使ってホタルについての説明を行います。スライドは小学校低学年のお子さんにもわかるような内容にしていますので、ご家族でホタルの学習をする良い機会になるかと思います。平日の開催日はスライドでの説明はありません。配布したリーフレットで簡単に池子のホタルの説明をいたします。これらの観察会の定員は80人です。

また、5月30日の観察会では川の中を歩きながらゲンジボタルを見ていただくというイベントを予定しています。真っ暗な川の中で目の前、頭の上をゲンジボタルが飛ぶ様子から、“光のトンネル”と呼んでいますが、2018年以降いろいろな事情で途絶えていたこのイベントを今年の観察会で予定しています。この川歩きを行う観察会の定員は20人です。

川の中に入って観察しますので、レインシューズではなく、ひざ下までの長靴をご用意ください。

夜の川の歩き方も明るい時間に練習します。

但し、雨になってしまった場合は中止になる可能性が有ります。

折角ですので、小雨位でしたら決行しますが、雨が降った場合、当日の実施予定は緑政課にお問合せください。

光のトンネル!この中を歩いてゲンジボタルを鑑賞します。

(ホタル観察会への参加申し込み)

次に大事なホタル観察会への参加方法について。

皆さんご承知のように、池子の森自然公園のホタル観察会は抽選の上で参加者を決めています。

5月7日(水)~5月18日(日)までの間、e-kanagawaという電子申請システムからお申込みください。

申込フォームへは、逗子市ホームページにて「ホタル観察会」と検索して頂くか、広報ずし5月号や市内の掲示板などに貼られるチラシに掲載のQRコードを読み取ってください。

ご不明な点がございましたら逗子市緑政課までお問合せください。

(今年のゲンジボタルの発生予測)

 ホタルの観察会を実施する上で、「ホタルの会」がクリアーしないといけない問題がふたつあります。一つ目は今年もゲンジボタルの発生は大丈夫だろうか、そして二つ目の問題はいつ頃ホタルが発生するのか、という点です。

 今年ははたしてどれぐらいのホタルが発生するのだろうかといつも心配になりますね。これについてはゲンジボタルの幼虫がどれぐらい川から陸に上陸するかで判断します。今年は32819時から幼虫調査を行いまして、観察会会場の川で水中から陸に上がるゲンジボタル幼虫を40個体も確認できました。これはもう過去最大の幼虫の数ですね。調査をやっていて、次々に上陸するゲンジボタル幼虫の健気(けなげ)な行動に思わず頑張れ!と声をかけたい気持ちでした。毎年ですが、幼虫上陸の感動的なシーンを見ると調査の苦労も忘れます。このように今年は幼虫がたくさん上陸したので、ゲンジボタルの発生も過去最大規模のものになるのではないかと期待しています。

 

3月28日、幼虫調査

ゲンジボタル幼虫の上陸、2014

 (観察会の日程について)

ゲンジボタルの幼虫の確認ができたら、次の問題は観察会を実施する日程の決定です。皆さんにホタルの数が最大の時に見ていただきたいという思いがありますので、その日がいつになるのかを考えて、観察会の日程をきめる訳です。

幼虫は3月下旬に水中から陸に上がります。そして幼虫は土に潜って脱皮して約一ヶ月後に蛹になります。それから約一ヶ月経つと羽化して、いよいよホタルとして地表に出てくるわけです。このように、ホタル幼虫の大変身は土の中で進むわけですが、気温・地温が高くなれば変身が速く進みます。2023年と2024年は気温が高くなったためにゲンジボタルの発生が約1週間早くなりました。

さて、今年のホタルの発生時期はどうでしょうか。現在までのところ、4月の平均気温は過去2年を少し上回っています。一方で上陸した日が過去2年よりも45日遅れています。これらを考えて、ここ2年より少し遅い時期に出るのではないかと考えて、524日から530日までの期間にゲンジボタルの観察会を行います。

 5月20日、21日は定員80人です。523日は川の中を歩く観察会で定員20人、スライドでのホタルの説明会を実施する524日と25日は定員80人を予定しています。

なお、雨が降るとゲンジボタルの発生数は減りますが、多少の雨であれば、傘をさして実施する予定です。

池子の森自然公園ビジターセンターにもゲンジボタルの観察会スケジュールと申し込みの方法を展示していますので、公園に来られた際には、ビジターセンター展示室でご確認をお願いいたします。

(片山さんからリスナーさんへのメッセージ)

5月22日には逗子海岸での花火大会が予定されています。そして24日からは池子の森自然公園のホタル観察会を1週間にわたって開催します。イベントの規模、形は違いますが、図らずも光の競演ということになりました。ホタル観察会は、花火大会に比べて静かで地味なイベントですが、感動しました!との声を毎年いただきます。また、子供にホタルを見せることができて良かった!などの感想を多いですね。

よく知られた清少納言の随筆集「枕草子」では、夏の章で「夏は、夜。月の頃はさらなり。闇もなほ。ホタルの多く飛びちがいたる。また、ただひとつ、ふたつなど、ほのかにうち光りて行くもおかし。」とホタルを楽しんでいたことが分かります。

1200年前に清少納言が楽しんだ風景を楽しんでいただけたらと思います。