2025-10-17 金

SSF Explorer 第81回  10月17日「星空リビング」

「星空リビング」プラネタリウムプランナーかわいじゅんこ先生にお話を伺いました。

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最近の天文の話題といえば、「レモン彗星」でしょう。

なんかかわいい感じの名前で、ともだちからも、黄色いレモンみたいな形の彗星?なんて聞かれました(笑)。まずは、そもそも彗星ってなんなん?ということです。

 

彗星とは、「ほうき星」とも呼ばれる太陽系の仲間です。どこにいるのかというと、地球からはるか遠くの「オールトの雲」、「エッジワース・カイパーベルト」 2つが考えられています。

彗星の本体は、「核」と呼ばれ、その存在は、汚れた雪だるまにたとえられます。大きさが数キロメートルから数十キロメートルのとても小さな天体で、成分は、そのおよそ8割が水(氷の状態)で、二酸化炭素、一酸化炭素、その他のガス、そして微量の塵(ちり)からできています。

オールトの雲とは、太陽系の最も外側にあり、球殻状に太陽系を包み込んでいると考えられている、無数の氷の微惑星の集まり。

太陽から遠い場所にあった氷と塵は、混在して氷微惑星となりました。この氷微惑星のうち、大きく成長した惑星によって太陽系の外側へと散らされたものがオールトの雲に、海王星より外側の領域で惑星の成長途中で取り残されたものがエッジワース・カイパーベルトになったと考えられています。そんな、遠くて寒い所から汚れた雪だるまが太陽に引っ張られてやってきます。太陽に近づくと「コマ」ができます「コマ」とは、太陽の熱で核から吹き出したガスやチリが核の周りを取り巻いているものです。そして、更に太陽に近づくと「尾」が現れます。太陽風という太陽からの粒子の流れなどによってコマのガスやチリが太陽と反対方向に伸びてできます。

それが、ほうき星の特徴になるわけです。そして、その名前の付け方は、彗星が見つかると、通常は発見者の名前を彗星の名前として採用することになっています。202513日に、アメリカのアリゾナ州にあるレモン山天文台の観測によって発見されましたので、「レモン彗星」となりました。

レモン彗星(C/2025 A6; Lemmon)が1020日ごろまでは未明から明け方の空で5等前後、15日ごろ以降は夕方から宵の空で4等前後の見込みとなり、観察の好機が近づいています。いつ、どこを見たらいいのか???大問題ですよね

レモン彗星が最も見やすくなるのは10月下旬から11月上旬と予想され、この頃は夕方の西の低い空で彗星の観察が可能です。暗い場所で空の澄んだ時に観察した場合には、肉眼でかすかに見えるかもしれませんし、スマホでも撮影出来るかも?と言われています。

実は、もう一つ「スワン彗星」というもあります。こちらは20259月に、太陽観測衛星SOHOの太陽風異方性検出装置SWANによる画像から、ウクライナのBezugly(ベズグリー)さんが発見しました。

10月に「スワン彗星」が比較的明るく6等前後になると予想されています。特に15日から20日ごろにかけて天の川を横断していき、見応えあり!と言われています。肉眼では難しいですねえ。

しかし、彗星の話題だと去年の紫金山・アトラス彗星を思い出しますね。私、スマホで撮影できましたので、そりゃそりゃ嬉しくて、ことある毎にみなさんにお見せして自慢しておりました。美星天文台の先生や天文好きの教育長、同じく天文好きのワインの先生やらと飲み会をしたときは、みんな各自自分の写真を自慢大会になりましたよ(笑)

昨日、メールで美星天文台の先生から「そろそろ「レモン彗星」が増光て撮影が出来そうです」とメールをいただきました!

ただ、彗星はミズモノというか、太陽に近づくとその影響で核が崩壊してしまったりという事もあります。落ち着いて、見守りたいです。ね。

スワン彗星の位置。上は背景の星に対する位置、下は日の入り90分後の方位と高度(場所の設定は東京)