2018-8-17 金

8月17日 OA

今日は晋道お休みを頂きまして、井上七重さんがお送り致しました。

◆「星空リビング」プラネタリウムプランナー かわいじゅんこ先生。

今日は、旧暦の七夕。今は「伝統的七夕」と呼んだりしています。

旧暦というのは、昔の暦で、「古臭いモノ」「今では役に立たないもの」のようなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?

ところが、それは間違いで、現在私たちが使っているカレンダーは、太陽の1年間の動きを使っていますが、旧暦とよばれる「太陰太陽暦」は太陽の周期と月の周期を合わせた計算が必要な科学的なカレンダーだったのです。

そして、日本は明治5年まで「太陰太陽暦」を使い、生活をしたり、お祭りをしたり様々な行事を行ってきました。七夕ももちろんそうです。

旧暦の日付は、月の形でわかるようになっています。たとえば、15日は丸い月。その半分の7日や8日は、半月。旧暦77日は必ずこの月で、22時半頃には沈みます。すると、月の明るさで見えなかった天の川が南の空から立ち上るように見え始めます。そして、頭の上には、織姫と彦星がいる。というのが本当七夕の夜の空なのです。

で、七夕というと思い出すお話は、天の国の王様の娘、織姫が彦星と結婚して楽しくて、働かなくなって、王様に怒られて、天の川の両岸に離れ離れにさせられて・・・というものだと思います。

今日は、昨年まで夏に行っていた石垣島で見つけた、天の川のお話をしたいと思います。

八重山地方では、昔から女きょうだいは、男きょうだいの守り神になるとされ、大事にしないさいと言われていました。あるところに機織りをする姉と牛や馬の世話をする弟がいました。でも、この弟はいつも姉をいじめていました。ある日、二人は喧嘩をして、弟は姉が大切にしている、箱を蹴って、糸もダメにしてしまいました。姉は泣き、悲しみましたが、もうどうにもなりません。しばらくして、二人は牛と馬を放牧しにいくことになりました。ところが目の前に大きな川が現れたのです。こんな川あったかしら?不思議に思いながらも姉は川を渡ります。彼女が川に足を入れると、川の水がすーっと引いて、歩きやすくなったのです。向こう岸に渡って弟に早く馬と牛を連れておいでと、呼びます。弟は川を渡ろうとすると、今度はうわーっと、水かさが増して弟はどうにもこうにも渡れません。何をしているのか?と姉が戻ってきますが、その時も、水は引いて歩けるようになるのです。

再び、対岸にわる姉。それに続こうとしますが、弟が渡ろうとするとどうしても水が増えて渡れません。これは、神様がいつも見ていて、今回は弟を懲らしめようとされたからなのです。天の川とこの二つの星をよく見ると、渡り切った姉の星、こと座のベガ。そして、渡れない弟の星アルタイルは天の川に牛と馬と一緒に、浸かっているように見えるのです。