2018-10-20 土

冷えこむ朝

お早うございます。

北風はやや強めですが太陽の陽射しが強く、まずまずの海日和。

葉山サーフクラブ 小玉さんの情報では、この週末は

ウインドサーフィンに良い陽気とのこと。

写真は、紅葉色のグラデーションが美しい貝殻。

腰越の浜で見つけました。

 

11:00~「ピクチャーズデプト シネマセレクション」

葉山の映画配給会社 ピクチャーズデプト代表 汐巻さんがお薦めする映画、

今朝は、「母の身終い」(2012年フランス)

刑務所から出所した息子が一人暮らしの母の家に身を寄せるものの、

年老いても完璧主義な母と、仕事につかない息子とは折り合いがつかず、

絶えず争ってばかり。

しかし、母は病に侵され余命幾ばくもなく、そして尊厳死を希望しているとのこと。

この様な人生の最後を望む母の想いとは?

この作品はセザール賞で4部門受賞し、フランスでは名作と言われているそうです。

重いテーマをステファヌ・ブリゼ監督は淡々と描き、

人生の感情を凝縮しています。

さて主人公の母は安楽死のためにスイスへと向かうのですが、

これは外国人の安楽死、それも医者の行為でなく自分での死、

自死を認めているのはスイスのみ、そんな背景、社会性があってのこと。

 

この様な難しい役をこなすのは、エレーヌ・ヴァンサン。

八千草薫さん似の温かい印象の彼女は、実は貧しい家庭に生まれ、

幼少から女優に憧れていたそうです。

演技への想いは75歳の今も衰えることなく、凛とした輝きを放っています。

そのエレーヌ・ヴァンサンに対しステファヌ監督はラストシーンで、

大げさにならないよう、涙を抑えてほしいと伝えたのだとか。

順撮りで撮影され、最後の自死を遂げるシーンで、

涙をギリギリまで抑えるよう指示、それは他の俳優には知らされていなかった為、

そこに携わる息子役のヴァンサン・ランドンはどうしたものか戸惑い、

アドリブで大丈夫かと尋ねてしまいます。

その一言を機にエレーヌは感情がいよいよ抑えきれなくなり、

自然と涙があふれて想いが爆発したそうです。

監督の手腕の現れだと、汐巻さん。

自分の人生をどう終えるか、秋の夜長にじっくりと考えてみては如何でしょう?

 

*話題となっている汐巻さんプロデュースの「旅する段ボール」については、

 ピクチャーズデプトのHPなどご覧ください。

↑ダンボールで作成されたお座布団。