2021-6-17 木
海洋研究開発機構 研究員 磯部紀之さん
今週の「モアナピープル」は モアナサポーター・桑原泰恵さんからのご紹介、海洋研究開発機構(JAMSTEC)研究員の磯部紀之さんです。
磯部さんは JAMSTEC(ジャムステック)の研究部門の一つ、海洋機能利用部門というところに所属。海がプラスチックで汚染されているということが社会全体に知られるようになりました。そのプラスチックによる汚染は、実は暗い海の底、深海にまで及んでいることが、最近わかってきました。現在ジャムステックでは、研究グループの垣根を超えて専門家が集まり、この問題に取り組んでいます。
まず、プラスチックがどれほど深海の底を汚しているのか、そしてその汚染がどれくらい生き物たちに影響を与えるのかを調べるグループがあります。こちらの研究のお手伝いをさせていただいて、深海にたくさんのプラスチックごみがあることを調査してきました。
また、プラスチックのように海の底に何年も何百年も残ることがない、生き物たちによって分解される、海にやさしい生分解性の素材の開発を行なっております。 さらに、環境省系のERCA、経産省系のNEDOといった組織の支援をうけて、ジャムステック以外の研究機関、たとえば群馬大・東大・北陸先端大といった研究機関が新たに開発した素材が、海でどのように分解するか、本当に海にやさしい素材なのかを確かめる、という研究も行っております。
このような研究に関わったきっかけは・・大学では農学部で、樹木から新素材を作る研究をしていました。自然の持つメカニズムは本当によくできていて、そういったシステムを生かしたり、自然素材から作った環境に負荷のかからない素材を作りたいと思っていました。今は樹木から作るものと言えば紙ですが、もっと様々なものを作れるはずです。 例えば透明なフイルムの様なものも作れています。これが実用化できればプラスティックは必要なくなります。
磯部さんは 新素材などのもの作りが専門ですが、その新素材が自然界でどんな存在になるかなども研究しています。環境保全は国の大きな到達目標でもあるので、各界の知のエキスパート達が集まって調査研究するこの仕事は大変やりがいがあります、と。
そんな磯部さんの「私の好きな湘南」「お勧めの湘南」はなんでしょう?
~逗子や葉山にたくさんあるパン屋さん!
意外?な答えでしたが 私もパンが好きなのでわかります(笑)
さて、8月2日 13時~15時にセミナーが開催されます。逗子海岸で拾ったごみなどをもとに中高生向けのオンラインセミナーとなります。JAMSTEC 50周年記念事業 ビーチxサイエンス企画 オンラインセミナー 詳細は 7月1日以降にJAMSTECのHPを!
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