2021-10-13 水

「生誕110年 香月泰男展」県立近代美術館葉山長門佐季さん

今朝はぐっと気温も下がって上着が必要なくらい・・体調管理に気を付けましょう!

「生誕110年 香月泰男展」神奈川県立近代美術館葉山で11月14日まで開催中。 担当学芸員で企画課長の長門佐季さんにお話をうかがいました。

                    

  ↑《青の太陽》 1969年 ~ふと顔をあげると、東天の闇をついて太陽がのぼる。それは一瞬疲労も寒さも忘れさせる美しいものであった。~

会場に展示されている香月の言葉を読みながら その世界に引き込まれていくようでした・・

太平洋戦争とシベリア抑留の体験を描いたシベリア・シリーズで、戦後洋画史に確固たる地位を築いた香月泰男(1911-74)。東京美術学校(現・東京藝術大学)時代から最晩年まで、シベリア・シリーズ全57点を含む各年代の代表作を制作年順に紹介し、香月泰男の画業の全容をたどります。

1931年、香月は東京美術学校に入学し、ファン・ゴッホや梅原龍三郎などの先達にならいながら自身のスタイルを模索しました。従軍とシベリア抑留を経て復員した1947年以降は、折に触れて大陸での体験を主題に制作しましたが、一方で台所の食材や庭の草花など身の回りのモチーフも色彩豊かに描きました。1950年代前半には色彩と形態、材料における試行錯誤を繰り返し、1950年代後半に後期の作品を特徴づける黒色と黄土色の重厚な画風に到達した香月は、その画風で太平洋戦争とシベリア抑留の体験を主題とする作品を描き、「シベリアの画家」としての評価を確立します。

本展では、一大叙事詩として読み取られることの多いシベリア・シリーズを解体し、同時期に制作された他の作品とあわせてご覧いただくことで、画家の創作活動における同シリーズの位置づけを再検証し、香月の芸術の多彩な魅力に迫ります。

「香月泰男展」に合わせ、第4展示室では、コレクション展が同時開催。香月が師事した藤島武二、生前に親交のあった野見山暁治、髙山辰雄ら関連作家の作品をコレクションから紹介します。

                    

そして鎌倉別館では 町田市立博物館所蔵 岩田色ガラスの世界展―岩田藤七・久利・糸子― こちらも11月14日まで。

いずれも HPから事前予約制で観覧いただけます。 予約方法はこちらからご確認ください。 最新情報はHPコチラ