2022-2-11 金
Pachamama LOVE THE BEACH
こんにちは江刺家愛です。
葉山の森や山の現状や対策などについて、2年前に活動を始められました、
一般社団法人葉山の森保全センター・代表理事 藤本さんに教えて頂きました。
葉山の里山は、大きく分けて3つのタイプの樹林があります。
一つは常緑針葉樹のスギ、ヒノキです。
もう一つは常緑広葉樹のタブ、カシ、ヤブツバキなどのいわゆる照葉樹。
三つめは、落葉広葉樹の サクラ、ナラ、クヌギなどです。
プラスして、モウソウダケやマダケの竹林が目立っているのが現状です。
葉山の地域別では、森戸川流域と二子山山系の上山口、木古庭口にスギの植林が目立っています。
三ケ岡山は県の管理するところですが、ここでは北側に数か所、小さなスギの植林が見られるだけで、あとは天然の二次林になっているようです。
モウソウダケやマダケは、上山口・木古庭口に多く見られます。
これらの地区の山に入るとうっそうと木が繁っており、手入れのされない
スギやヒノキの植林と、モウソウダケなどが拡大しているのがとても気になりました。
この現状から特に不安に思われていることは、自然災害です。
森の中はとても暗く、充分な光や栄養が行き届かず、スペースを強いられた杉が細く上に伸び、ほぼ壊滅状態で倒れています。
台風などの強い風に耐えられず倒れた、いわゆる掛かり木と言って、
何かの拍子にいつ倒れてくるかわからず、非常に危険な状態です。
更に、これらの木々が大雨で川へ流され蓄積し、流れをせき止めている事もあります。
そして暗い森ですので、下層植生(ある場所に育っている植物の集団)が
育ちにくく、大雨になると山肌の土壌が直接、川へ流されることもあります。
このような現状の山になってしまった背景は、戦後のエネルギー革命の後、
材価の低迷で個人での手入れがされてこなかった、生活上に必要な資源を山に求めることをしなくなった、そうした時代になってきた為ではないか?
改善する為にこれまで葉山の森保全センターとして、定期的に葉山の山に入り調査したり、林業の基本の講習や実技等の研修、 危険な木の伐採や拡大する竹林のモウソウダケを使った小屋づくりなどを、常に生態系保護の視点で行ってきました。
しかし活動を始めた2年前も今も、森自体は大きくは変わりません。
まず2年という短い期間では、この大きな自然を変えることは出来ず、50年100年と長きにわたり継続させることがとても重要です
ただ嬉しい事に、地域の方々の森や海に対するマインドは確実に変わってきています。
また山ゴミについては、山の中や谷戸には数十年前の産業廃棄物の投棄が見られたり、かつての農地で使用した肥料の袋などが見られたりしますが、ハイキングの道に目立ったごみはなく、これは山で楽しむ人達の心がけの表れではないでしょうか?
また、百年前後の木々も増えてきて、僅か100~200メートルの山にも関わらず、深い山といった趣です。神奈川の森50選に選ばれたところもあります。
200~300年の木の寿命からはまだまだ大人になったばかり、人で言えば、青年期と言っていいでしょうか。これからの山がどう変わっていくか、変化が楽しみです。多くの人にこの変化を楽しんでもらいです。
また、山側の各地に災害避難所をつくり、そこへ薪などをストックし、万が一に備えるという、山の活用も考えています。
例えば、薪とストーブやボイラー、お風呂があれば、調理入浴ができ、暖をとることもでき更には、灯り・照明としても活用できます。
海外の林業モデルをよく参考にしていますが、例えば、イギリス。
向こうの森林に対する教育や考え方はとても素晴らしく、人々と森との距離がものすごく近いです。たくさんの方・お年寄りから子供まで、日常の中で
普通に森を散歩しています。他の人の山でも自由に入って良いのです。
また、地域のフォレスター、(公務員と同等の立場で雇用された人が、その地域の森を管理されています。
森は個人のものでなく、町民の共有財産とされているのです。
こういったことを参考に、多くの人たちが楽しめ、安全性が確保され、気持ちの良い山にすること、誰でも入れる山・アクセスできる山であることが非常に大事です。
自然保護と木材利用の両立を図りながら、地域を元気にする森林業こそ、人、動物、自然、三方良しとなるのではと考えています。
葉山の森や山の現状や対策などについて、2年前に活動を始められました、一般社団法人葉山の森保全センター・代表理事 藤本さんに教えて頂きました。