2023-11-16 木

「100年前の未来:移動するモダニズム」県立近代美術館葉山 担当学芸員の三本松倫代さん

県立近代美術館葉山が開館したのは 20年前の10月11日。オープニングセレモニーには 私も伺わせていただきました。たくさんの方がいらしていてよく覚えています・・

「葉山館20周年記念 100年前の未来:移動するモダニズム1920-1930」 神奈川県立近代美術館葉山館で 1月28日まで開催中です。 担当学芸員の三本松倫代さんにスタジオにお越しいただきました。三本松さんは開館当時から勤務されています。

                   

葉山館の開館20周年を記念して、当館が館名に掲げる「近代(モダン)」の文化が多様に展開した20世紀の20年代を再考します。1917年のロシア革命と1918年終結の第1次世界大戦により国際的な移動と伝播の時代が到来し、スペイン風邪によるパンデミック後の世界で、芸術家たちは国境を越えて活動しました。中村彝と鶴田吾郎が描いたエスペランティストの詩人ヴァシリー・エロシェンコの肖像を筆頭に、夭折画家・久米民十郎、土田麦僊や前田寛治、藤田嗣治などの滞欧・滞米作品、石本喜久治らが招来したドイツ新興美術、MAVOや三科など1923年の関東大震災とその復興を挟んで都会に展開した前衛諸派、シュルレアリスムの端緒から魯迅の木版画運動まで、大正から昭和へと移る100年前の世界が夢みた新しさの諸相を紹介します。

                    

見どころの一つとして

●久米民十郎1999年以来の特集展示があります。   1914年に渡英しエズラ・パウンドと交流、ヴォーティシズム(渦巻派)などの新潮流に触れて才能を開花させるも再渡航直前の横浜で関東大震災に斃れた画家・久米民十郎。旧鎌倉館以来となる特集展示で、近年の調査研究をふまえた希少な作品・資料を紹介します。

作品をピックアップして解説いただいたのは・・

久米民十郎《支那の踊り》1920年、 中村彝《エロシェンコ氏の像》 1920年 →こちらは12月14日までの展示、和達知男《謎》 1922年頃、 前田寛治《二人の労働者》 1923年 

会場内では ドキュメンタリー映画『関東大震災[伊奈精一版]』1923年 『復興帝都シンフオニー』1929年 上映。

館長によるギャラリートークは 11月25日(土曜)午後2時から午後3時まで  集合場所:県立近代美術館 葉山 エントランス

連続講演会は 第2回 12月10日(日)「中国をめざすモダニストたち:近代中国における日本人美術家について」 講師:呉 孟晋氏

第3回 2024年1月20日(土) 「久米民十郎 移動・モダニズム・戦争」(仮題) 講師:五十殿利治氏

そして 葉山館開館20周年を記念し、当館で制作した展覧会カタログ等を、期間限定の割引価格にて販売する「カタログフェア」もあります。 1月28日(日曜)まで。開館日、ショップ営業時間のみ開催  会場 葉山館:エントランスホール、ミュージアムショップ

詳しくはHPコチラ