2024-12-5 木
SSF Explorer 第36回 12月5日OA(星空リビング)
今年最後の「星空リビング」プラネタリウムプランナーかわいじゅんこ先生に電話でお話を伺いました。
もう12月ですね。今年の最後の回です。
毎年毎年早い早いと言っていますが、やることが満載でため息が出てしまいます。
一年を振り返るのもいいですが、先日、倉敷科学センターで展示された、小惑星イトカワとリュウグウの粒子サンプル展示の「見守り隊」をしてきたので、そのお話しをしようと思います。
サンプルリターンというとはやぶさの活躍が印象的です。
38万キロメートル離れている、月。そこから持ち帰られた「月の石」はあまりにも有名で人気で、大阪万博の時はすごいことになったと。
では、小惑星イトカワとリュウグウは?
イトカワもリュウグウも地球からの距離は約3億キロメートル。地球も小惑星もぐるぐる回っているのでその距離は変わりますが、月よりはるかに遠いということです。
そこから、サンプルを採取して地球に帰る。そんなすごいことをしてやってきた本物の粒子サンプルです。
この目に、3億キロ離れた星のかけらを見られるのです。
この二つの小惑星はタイプが違います。
「イトカワ」は、主な材料が岩石質と推定される「S型小惑星」に分類されます(Sは石質を意味する英語のStonyまたはケイ素質を意味するSilicaceousに由来します)。元素記号で「Si」ですね。これに対して、「リュウグウ」は、表面の岩石の中に有機物などを多く含むと考えられている「C型小惑星」です。(Cは炭素質を意味するCarbonaceousに由来します)がC型小惑星はS型小惑星よりも「始原的(太陽系初期の情報を多く保っている)」とされています。
はやぶさの航海は、様々な障害を乗り越え最後の最後の力を集結して、ようやく地球に帰ってこられたという感動物語で、映画にもなったりしましたね。しかしサンプルはと言うと開け見たら何も・・・。しかし、諦めきれずに空っぽに見えるカプセルの中をゴムべらのような物でこそぎ、顕微鏡で見たら、地球由来ではない小さな粒子が!!
その中の一つが、今回、展示されたのです。
大きさは、51マイクロメートル。マイクロメートルは1ミリの1000分の1。絶対に目で見ることはできません。しかし、そこに電子顕微鏡で拡大した画像が展示されていて、その美しいこと。ケイ素はガラスの原料でもあり、特にかんらん石の割合が高いイトカワ。かんらん石と言えば、ペリドット。あの美しい淡いグリーンの石ですね。そんな透明感のある粒子でした!
リュウグウの方は、炭素が多いので色は黒かったです。こちらはかろうじて見える3ミリ弱。小さなかけらが肉眼で見えます!!
なんか、すごい物を見ている感!ロマン!?感動!
実は、倉敷の後は、国立科学博物館での展示になります。
小惑星からのサンプルリターン-「はやぶさ」と「はやぶさ2」、そして「MMX」へ-2024年12月17日(火)~2025年1月13日(月・祝)
MMXとは、火星に探査機を打上げてサンプルリターンをするという計画。2026年に打上げ予定です。
皆さん、この機会にぜひ!イトカワとリュウグウの粒子サンプルをその目でごらんください!
そうそう、14日はふたご座流星群の極大ですね。10時がピークなので、13日から14日の朝にかけてがいいでしょうね。
ただ、月が明るいので月を背にして観測してみてください。
また、来年もいろいろな天文現象や新しい宇宙のことなどお話しできたらと思っています。みなさま良いお年を!!!早いけど
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